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電車でGO! FINAL PS2体験版

PS2最終作となったFINALの(PS2版の)体験版です。
大阪環状線の入門編・ダイヤ1番・車掌常務の京橋〜大阪間のみがプレイできます。
(エンジョイモードは選択不可)
データの日付は2004年1月20日〜21日になっています。
FINALということで予算が増えたのか、それとも前作のイマイチな評価に対する不安を払拭するためか、
雑誌やネット上で先着で体験版をプレゼントするなど、宣伝にも力を入れていたようです。
上記のように多く配布していたからなのか、ネット上では通勤編や旅情編の体験版に比べると、
見かける機会は多いと思います。ただ1000円以上で売っている場合もありますが、
FINAL本編の中古価格が高いとはいえ、体験版にそこまでのお金を出す必要は無いかと思います。

オープニングムービーが違うなど、製品版との違いは色々ありますが、
電車でGO!FINAL体験版 模擬プレイ(仮) (https://www.youtube.com/watch?v=yDiPh3cmdmg)
他の方が上げているこちらの動画が詳しいので、ここでは製品版で収録されなかったダイヤについて触れておきます。

有名な話ですが、FINALの中央線は製品版でプレイ出来た快速線の他、
当初は三鷹〜秋葉原間の緩行線(中央・総武各駅停車)も収録予定だったそうで、
この体験版にダイヤ一覧に三鷹〜秋葉原の各駅停車の表示があったことが知られています。
また、製品版にも音声など、プレイ可能な予定だった痕跡が残されています。
(ただし209系は音声が不完全だったりと、どうやら途中で制作がストップしてしまったようです)

ちなみに、wikipediaには「店頭でプレイ出来た体験版にも収録されていたが〜」と、
実際にプレイ出来たようにもとれそうな書き方ですが、私が調べた限りではイベントや店頭での体験プレイ、
先着応募で配布していた体験版はどれも大阪環状線の一部(京橋〜大阪)のみの収録で、
いずれの内容に違いがあったとしても「表示だけ」でプレイはできなかったと思われます。
私が持っている体験版(SLPM-60237)のデータを見ても、該当区間を含んだデータしかなく、
無理矢理他のダイヤを選択可能にしてもフリーズするだけでした。
(大阪環状線の東側、天王寺〜京橋〜大阪の区間のみ収録、
 収録されている区間のみなら他のダイヤでもプレイできますが、
 分割ダイヤの2区間目以降を選択した場合、開始時刻がおかしくなる場合あり)

このPS2体験版、クレジットが足りなくてダイヤ購入が行えないことや、
多くのダイヤが「?」で隠されてしまっていますが、データを変更して全て表示させると、
他にも製品版に無い、「201系 普通 東京→中野」「201系 普通 高尾→東京」の表示が確認できました。
早朝・深夜にあった、秋葉原方面に行かずに東京を発着とする各駅停車らしく、
これがあれば山手線同様に始発から終電まで網羅できていたかもしれないと思うと惜しいです。

※赤枠のものが製品版には無い、もしくは異なるダイヤです。

これらも収録されていれば全18ダイヤで、全路線で最多となっていたはずなのですが、
他の内容に差し替えられることもなく、単純に減らされるだけの形になってしまいました。
またこの影響で本作で唯一の209系ダイヤが消滅し、運転不可能になってしまいました。
※実は製品版では単純に飛ばされているだけなので、ダイヤの参照先アドレスを変更すれば
 ダイヤ一覧に表示させることは可能です。ただ選択してもデータが不足しているのか
 区間選択の画面で車両が表示されずフリーズしてしまいます。
 ちなみに製品版では秋葉原発着のものが新宿発着に変更(短縮)されていました。

Windows版のマップデータを見ると「ChuoA」というフォルダがあるのですが、
緩行線用に「ChuoB」のデータも作る予定だったのではないかと予想されます。
(分割されていない東海道線はフォルダ名にAはついていないことから想像)
三鷹〜御茶ノ水のみなら現行のマップをそのまま利用して収録できたのでは?とも思ったのですが、
製品版で改造で無理矢理緩行線側を走行した方の動画を見る限り、
快速線でのプレイのみを前提とした作りになっているようです。
(緩行線側にはオブジェクトが大雑把にしか置かれていないなど)

ちなみに車掌常務も「普通 201系 東京→中野」になっていました。

他は大体製品版と同じでダイヤ数に違いはありませんが、一部で難易度設定・天気が違っていたり、
東海道線の寝台特急日本海が体験版では3号、製品版では1号と違っていました。
時間帯はまだ指定されていないのか全て昼になっていました。(中央線のみ一覧でのマークは夕方)
天気マークは製品版には無い雷・雪マークも確認できますが、
実際の運転画面では晴れ以外は用意されていないようです。


ちなみに中央線は区間選択画面の路線図表示で点と線の位置が一致していません。
(開発中にレイアウト変更があって、その変更前後でのデータが混ざっているとか?)
ただし入門編の秋葉原→御茶ノ水だけは正しく表示されます。
↓車両データが無いのか、違う車両が表示されます。


ゲーム中に表示される路線図はこのようになる予定だったようです。
(信濃町が「品濃町」と誤記されています)

体験版では選択できないミュージアム(写真・ムービー閲覧)に無理矢理入ってみましたが、
いかにも開発中といった画面になっていました。


ムービーの方は選択しても暗転したまま止まってしまうだけでした。

車両紹介の方は製品版には無い「路線選択」のボタン表記がありますが、
押すとカーソルが各グループの先頭と思われる位置に行くだけで、
次の路線に切り替えというわけでは無いようです。

どれを選択してもタイトーロゴの画像が表示され、十字キーを押すと
メニューの背景画像?の2枚に切り替わるだけでした。
右下に「入門ダイヤ」と表示されますが、本来はここに車両名が出るのでしょう。
画面上の操作ガイドと違い、〇ボタンでモデルフロアに移動します。
表示させていた画像によって、2種類のうちどちらかになります。
十字上下で違う車両を選択と表示されますが、押しても何も起こりませんでした。
製品版と違って縮小は制限が無く、またL2で周囲の明るさが通常/暗めに切り替わります。




オプション設定のサウンドテストでは製品版と違って曲名が付いていますが、
切り替えても音楽は再生されないので仮タイトルなのか、
それとも全然関係ない曲名をダミーとして入れているのかは不明です。

曲名は以下の通りです。明らかに怪しいものもありますが、
本作に関係ない音楽データは入っていないのでご安心ください。
・Over the top sky
・flying
・Dream
・Go Train
・Victory!!
・Over Soul
・Sony Land
・Successful mission
・残酷な天使のテーゼ
・Core Instruction


ゲーム終了後は上記の画像が表示されますが、「シリーズ最大容量」と書かれているものの、
製品版のDVD容量は実はプロ2より少なく、しかも350MB程はムービーデータの一部が重複して入っているので
(ダミーデーター?)実際に使っている容量はもっと少ないです。
とはいえ、本作は過去作ではPCMだったボイスデータがADPCMに圧縮されていたり、
ムービーも過去作より解像度が落とされるなどした上での容量であり、
Windows版ではインストールに必要な容量がむしろ増えているので
ゲーム用に変換する前の、開発用のデータ容量が過去最大だったということなのかもしれません。
とはいえ、結果的には上記の通り容量にまだ余裕があるはずなので
もうちょっとムービーの画質を上げてほしかったですが…
(上で出ている350MBというのは、本作の画質のムービーを7〜8本追加できる位の容量です)

また、「FINALというのは当時のハードのスペックではこれ以上の進化は無理なので
新世代のハードが出るまでは一旦シリーズを中断するという意味」(=シリーズ終了ではない?)という話があり、
当時のインタビューでもPS2+DVDの組み合わせでは限界がある、という発言があった様ですが、
上記の画像を見る限りでは、少なくとも営業的には本作がシリーズ最終作という
認識だったのではないのかと思います。


その他気付いた点としては
・体験版でプレイできる入門ダイヤとダイヤ#1は製品版では早朝のダイヤなのですが
 体験版では日中(10時台)のダイヤになっています。
 開発が進むにつれて変更になったのか、それとも元々早朝ダイヤだったものの見た目の問題で
 体験版専用に時間帯を変更したのでしょうか。

・車両データは大阪環状線の分のみ入っているようで
 103系・221系・223系の全10パターン分(製品版と同じ数)の編成データが入っているのですが
 どのダイヤを選んでも運転車両として登場するのは103系になってしまいます。
 (対向列車としては出てくるのですが…)

・効果音データは製品版と同じく22車種分のデータ領域は存在しているようですが
 まだ作成途中の状態の様で、他の車両の音が仮で割り当てられていたり、  車内チャイムに関しても一部のものしかなく、その音声も製品版とは異なります。
 さらに上記車内チャイムと発車時の音楽(大阪環状線分のみ収録)は
 製品版より若干再生速度が遅い?ようです。

この画像の右下の車両はJRではない気もしますが、製品版では変更になっています。

・停車後に表示される減点項目一覧は製品版と微妙に違っています。
 [体験版]       [製品版]
 到着時刻オーバー → 時間遅れ(上にある項目が「停止位置オーバー」なので体験版ではそれと揃えていたと思われます)
 戸締め前出発進行 → 戸閉め前加速(出発進行だけでなく、戸締め→戸閉めにも修正)
 警笛標識無視 → (製品版では削除)(警笛標識が全く無いため、結果的に消滅?)
 連結車両への衝突 → (製品版では削除)(過去作のこまちや関空快速のような、通常ゲーム内に組み込まれる連結を想定したものだったのかも?)
 不要な扉開閉操作 → (製品版では削除)
  (方向を間違えたり、発車前・運転中に押した場合は別項目である「扉操作ミス」になるので、どういう時に適用される項目かは不明)
 なお、基本的に減点は-5点単位(マーク半分)ですが、体験版で速度制限を1km/hオーバーしたら-2点という半端な減点でした。




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