2高速編のバージョンアップ版です。
ゲームシステムに特に変更はありませんが、路線・ダイヤが大幅に追加され、
ダイヤ数は6→17(+α)と3倍近くに増えました。
原作のアーケード版で特定の操作や条件が必要だったダイヤは
本作では最初からそれぞれ個別のダイヤとして選択できるようになっています。
(厳しい条件が必要だった横浜→上野の通し運転も、無条件で出来るダイヤが追加されています)
初期バージョン(以下、無印版)の方は
既にWindowsに移植されているので、
それをベースに3000番台の内容に対応させた、単なるバージョンアップ版かと普通は思いそうですが、
実際にはまずメニュー画面が全く異なり、運転画面でもメーター等の画像や表示位置が微妙に違うなど
まるで一から作り直したかのようになっています。
どうやら、本作の3か月程前に発売されたドリームキャスト版(DC版)がベースになっているようです。
(DC版はDC本体に搭載されていたWindows CEモードを利用していたらしいので、その関係?)
※DC版は未プレイのため、そちらとの細かい比較はできません。
また無印版ではDirectDrawを使用した描画だったのが、本作ではDirect3Dに変更されました。
無印版と本作の画像比較(左が無印、右が3000番台)
本作は内容的には無印版の上位互換ですが、
DC版に合わせたのか一部のテクスチャが簡略化されていたり、表示領域が若干狭くなっているなど、
無印版の移植の方が優れている部分もほんの僅かながら存在します。
(どちらも普通にプレイする分には気にならない所ではありますが)
なおDC版で発生していたオープニングデモの背景画像ズレは本作では発生せず、正常に表示されます。
本作から設定プログラムが同梱されるようになりました。
主にグラフィック関係の設定ができ、難易度などのゲーム設定は従来通りゲーム内で設定します。
インストール時にデスクトップかノートパソコンか聞かれますが、
それによってここの初期設定が変わるようです。
あくまで当時のスペック用と思われるので、スペックが十分であればノート機種でもデスクトップを選択し、
右側のチェックボックスはフォグ機能以外はオフで問題ないと思います。
本作は画面解像度を従来の640x480だけでなく800x600にも設定可能ですが、
この時の2D画像は画面サイズに合わせての拡大はされないため、
フルスクリーン画面では相対的に小さく表示されます。
この為、メニューや路線選択画面では画面内に表示される項目が多くなります。
(半端に拡大されてガタガタな表示になっても困るので、この判断は正しいかと思われます)
画像比較(左が640x480、右が800x600、クリックで原寸表示)
オプション画面では家庭用同様に距離計をcm単位に変更できます。
一方で速度計の設定はアナログとデジタル(デカデジ)の2種類だけになりました。
サウンドのオン・オフの設定ができますが、
私の環境ではオフに設定しても音楽が止まらず、一度終了して再度起動しないと
完全に無音になりませんでした。
この他、無印版との主な機能の違いとしては、
・ポーズメニューの「始発駅に戻る」でスタート地点からやり直せるようになった
・クリアしたダイヤに星マークが付くようになった
(PS系ではベリーハードでノーコンティニュークリアでないと金星になりませんが、
本作では難易度不問でコンティニュー無しで金、3回までで銀、それ以上で銅になります)
・無印版ではランキングは1位のみ保存だったのが10位まで全て保存されるようになった
・画面右上にPS版のように現在運転中の駅区間の表示が追加(DC版には無い、Win3000番台のみの要素?)
・始業検査(レバーを規定位置にセットする画面)は専用コントローラ使用時のみ表示
(これ以降に発売された他の作品でも同様)
また、全ダイヤクリアでDC版同様に「LOVE特急こまち」の映像が流れるようになるらしいのですが、
そこまで行っていないのでわかりません…ただムービー自体が入っているのは確認しています。
(DATA\KOMACHI.DAT、MPEGムービーなのでプレイヤーによってはそのまま再生できます)
あと、音楽トラック(CD-DA)と移植スタッフの表示は無くなりました。
(BGMはこちらもWAVEファイルではないですが、サンプリングレートが22050Hz→44100Hzに上がっています)
通常版の発売当時は本作のリプレイ保存機能を使ったコンテストが行われていました。
特定の条件を満たした上でクリアした時の「持ち時間」を競うもので(※運転評価やスコアではない)、
全5回行われました。
第1回 東海道本線 221系 快速(大阪→神戸) 踏み切り事故を発生させ、回避に成功する(難易度不問) 優勝記録:264秒
第2回 田沢湖線 701系 普通(田沢湖→盛岡) 田沢湖〜赤渕間、信号場内でこまちとすれ違う(ベリーハード限定) 優勝記録:119秒
第3回 山手線 205系 普通(東京→新宿) 代々木駅でエクセレント(+-0cm&定刻停車)を出す(難易度不問) 優勝記録:224秒
第4回 秋田新幹線 E3系 普通(秋田→新花巻) 盛岡駅でE2系との連結ゲームを出す(難易度不問) 優勝記録:404秒
第5回 秋田新幹線 E3系 普通(秋田→新花巻) 盛岡駅の連結ゲームでボーナス20秒を出す(難易度不問) 優勝記録:402秒
※当然ですが、難易度固定の第2回以外は持ち時間が大幅に増えるイージー設定でのプレイとなっています。
→リプレイデータのダウンロードページ
(上記ページ以外は削除されているため、各回の課題内容や、ページ消滅時は下記のInternet Archiveを参照)
→当時のコンテストページ(Internet Archive)
上記ページから優勝者のリプレイデータがダウンロードできますが、
第5回のリプレイデータのダウンロードリンクが間違っています。(第4回のままになっている)
ダウンロード先のアドレスのml_〇〇の部分をml_05に直せば第5回のリプレイデータがダウンロードできますが、
Internet Archiveの方には保存されていないようなので注意してください。←2019年に取得済みになっているようです。
BINフォルダ(実行ファイルと同じフォルダ)内に「dengo3k.ini」というファイルを作成し、
そのままファイルを開いて[default]([]の部分も含む)という行を追加し、
さらに下記項目を追加することで隠し機能を利用できます。
debug=1
→ ウインドウモードで起動、ただし画面モードが16bitカラーでないと起動不可
vga_1024x768=1
→ 解像度1024x768の高解像度モードで起動
ただし、メーター・距離などの表示が画面上部にまとめられているのでプレイしづらい
(その分、風景が良く見えるようになるのでリプレイ再生には良いかも?)
※左上の空間には急ブレーキ等での乗客の反応のグラフィックが表示されます。
無印版のページに書いたダイヤ毎の初期持ち時間・2つのパラメーター設定は3000番台では下記のようになっています。
無印版ではイージー設定では全ダイヤ持ち時間が90秒でしたが、
本作では一部80秒になっています。(ノーマルで20秒のダイヤが対象)
ダイヤ(※は未使用ダイヤ) | イージー | ノーマル | ハード | ベリーハード |
00 秋田新幹線 秋田→大曲 中級 |
90秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.10 |
20秒 1.05/1.20 |
01 秋田新幹線 秋田→大曲 特級 |
80秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
20秒 1.05/1.20 |
20秒 1.10/1.30 |
02 秋田新幹線 秋田→盛岡 特級 |
80秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.10 |
20秒 1.05/1.20 |
20秒 1.10/1.30 |
03 奥羽本線 秋田→大曲 中級 |
80秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
04 田沢湖線 田沢湖→盛岡 中級 |
80秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
05 ほくほく線 直江津→うらがわら 初級 (HK100型) |
90秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
06 ほくほく線 直江津→六日町 上級 (HK100型) |
80秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
07 ほくほく線 直江津→六日町 特級 (681系) |
80秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
20秒 1.05/1.20 |
20秒 1.10/1.30 |
08 ほくほく線 直江津→六日町 上級 (485系) |
90秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
09 ほくほく線 直江津→六日町 上級 (485系3000番台) |
90秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
0A 京浜東北線 横浜→品川 中級 |
90秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.10 |
30秒 1.05/1.20 |
20秒 1.05/1.30 |
0B 京浜東北線 品川→上野 中級 |
90秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
30秒 1.05/1.20 |
20秒 1.05/1.30 |
0C 東海道線 大阪→神戸 上級 (201系) |
80秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.05 |
20秒 1.05/1.10 |
20秒 1.05/1.15 |
0D 東海道線 大阪→神戸 中級 (207系) |
90秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
0E 東海道線 大阪→神戸 上級 (221系) |
80秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.05 |
20秒 1.05/1.10 |
20秒 1.05/1.15 |
0F 東海道線 大阪→神戸 中級 (223系) |
90秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.00 |
10 山手線 東京→新宿 上級 |
80秒 1.00/1.00 |
20秒 1.00/1.10 |
20秒 1.05/1.20 |
20秒 1.05/1.30 |
11 秋田新幹線 大曲→盛岡 中級 (雫石停車) |
90秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.10 |
30秒 1.05/1.20 |
20秒 1.10/1.30 |
12 秋田新幹線 大曲→盛岡 中級 (雫石通過) |
90秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.10 |
30秒 1.05/1.20 |
20秒 1.10/1.30 |
※13 秋田新幹線 大曲→盛岡 中級 (雫石停車・未使用) |
90秒 1.00/1.00 |
30秒 1.00/1.10 |
30秒 1.05/1.20 |
20秒 1.10/1.30 |
14 京浜東北線 横浜→上野 中級 |
※これらのデータは爆発的シリーズ版の場合、v_dengo3k.exeの$5A9D0〜に存在します。
(それ以外のバージョンでは「5A 00 1E 00 1E 00 14」で検索してください)
まずダイヤ番号順に初期持ち時間(2byte)が4難易度×20ダイヤ分あり、
その後に同様に上記2つのパラメータ(各4byte・float値)が続きます。
$14の京浜東北線通しダイヤ(0Aのダイヤで発生する延長運転が無条件で出来るダイヤ)は
元のダイヤの情報を使用しているらしく、このダイヤ番号としての個別のパラメーターは無いようです。
そして本作にも1つだけ未使用ダイヤがあります。
ダイヤ番号$13の大曲→盛岡がそれで、従来の同区間のものと違い12時台の運行になっています。
(無印版でも未使用だった難易度特級の大曲→盛岡と同じダイヤ?)
没になった後に仕様変更があったのか、速度制限を無視してフル加速しないと
最初の通過駅に間に合わなかったり、(速度制限は数キロ程度猶予があるので減点はされない)
発車前に出る一覧図は雫石通過のものなのに実際は停車だったりと変なことになっています。
(しかも雫石はダイヤが通過用のままなのか、手前の駅までを定通ペースの速度で来ると
間に合わない状況になります)
盛岡に0m停車できると連結ゲームが始まりますが、成功しても東北新幹線部分はプレイできず、
そのまま全区間走破で終了となります。
爆発的シリーズの場合、ダイヤ一覧データは7db94〜で、4byte×6×5(地域数)分続いています。
FF FF FF FFとなっている所(連続する場合は最初の方)か、ダイヤ02が4回続く下側の東北路線を
1箇所13 00 00 00にすることで、既存のダイヤを潰すことなくこのダイヤを追加できます。
メモリ情報(爆発的シリーズ版の場合)
84F574 加速の強さ?(float値、通常は3f800000(1.0)?)
84F57C 車両のパラメーターの種類?0fにすると最大300km/h出せる
84F584 下り勾配での加速度(前述のダイヤ毎のパラメータ値)
84F5AC 加速の抵抗値(〃)
84F5B8 減速の強さ?(float値、通常は3f800000(1.0)?)
85A130 現在の持ち時間
85A3B4 現在の速度(ただし車両毎に限界速度あり)
float値だが時速ではなく秒速(m/s)?
3.6倍すると時速(km/h)になる(例:41200000(10.0)なら36km/h)
※初期掲載時にアドレスが間違っていました。(×85a3b0→〇85a3b4) すみません。